共感力の習得プロセス

今回は共感力の習得プロセスという話をさせていただきます。
昨日の話の続きに当たります。
https://www.mine-think.com/?p=382

まず最初に身に着けることは言語化能力です。言語化能力の私の定義としては、抽象的な概念を文章として説明できる能力としています。この能力が高い事によるメリットは、思考のテーマとして位置づけることができる事、言語化した概念を共通言語として議論することができる事です。

今となっては語彙の範疇になっているテレワーク、リモートワークですが、もしこの世界にこの単語が定義されていなかったとしたら、皆さんならコロナ対策にリモートワークを始めようという内容をどのように伝えるでしょうか。会社への出社にこだわることなく、チャットツールやWeb会議を用いて会社外でも労働可能な環境を作りましょうというと、中々浸透させるのは大変かもしれませんが、テレワークという共通言語のお陰で、話が簡単に進むようになりますよね。言語化能力の強化は、自身にとって社会にとっての思考のスタート地点の引き上げに繋がるという事です。

次に身に着けるのが想像力です。言語化能力が上がると抽象的な概念の輪郭をとらえられるようになるので、想像未来の世の中や、自分以外の立場における状況、今は存在しない物事の定義などについて考えを深める準備が整っている状態と言えます。この状態で相手の状況、未来の状況を情景として浮かべられる能力のことです。

マーケティングの方法論としてこの想像力を必要とするのはペルソナ作成、カスタマージャーニーマップの作成が該当します。顧客がある一つの商品・サービスを知り、買い、シェアしたくなるまでの過程を旅に見立て、一つの導線にしたようなマップのことをいい、これを作ることで他社視点を知覚することができるようになります。共感に繋がるものとして、相手の立場はどういう状態なのかを知覚することになるでしょうか。

最後に身に着けるのが共感力です。想像力の向上により、自分のプロフィールを書くかの如く他者のプロフィールを設定、予測できる状態になっている状態になっています。理屈としての他者視点を身に着けることで、いよいよ感情としての他者視点である共感力を養う準備が整います。他者視点客観的プロフィールをみたうえで、自分がこのプロフィールの立場のAさんだったら今どんな心境で、なにを成し遂げようとするだろうか、何を思っているだろうか、他者に何を期待しているだろうかなどなど…ここを導き出すことができると、共感力が向上したといえるかもしれます。

共感力を身につけ、相手の感情までを把握したのであれば、あとはその知りえた他者の感情を例えば社内などのコミュニティの中で、共有する必要があります。想像力、共感力により知りえた自分の理解の範疇に至るまでを、身に着けた言語化能力を駆使し相いれないもの同士、互いを知らない者達に、今相手はどういう気持ちでこれをやっているかを共有することで、不和を取り除けるようになれば、共感の神の第一歩だといえるのではないでしょうか。

今回は以上となります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました