至高の引き算

今回は至高の引き算という話をさせていただきます。

ブレーズ・パスカルさんという方をご存じでしょうか。フランスで生まれた哲学をはじめとした複学者とでも呼べそうな多岐の才能とと努力量の持ち主です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB

パスカルさんが友人に送った手紙の話なのですが、パスカルさんはその手紙の最後の一文をこう締めくくりました。

「今日は時間がなかったために、このように長い手紙に
なってしまったことをお許しください。」

この一文を知った時は衝撃を受けた記憶がありますね。
パスカルさんの思想は、物事の推敲を重ね煮詰めていけば、無駄な要素がそぎ落とされて、最後に残るものこそが言いたいことの核心のみの洗練された文章であるという考えだったのだと思います。

このことはパスカルさんが哲学者として行った宣言からもよくわかります。

「人間は考える葦である」

一見すると伝わらないかもしれませんが、言いたいことが凝縮された一文となっております。
葦というのは植物の事ですね。人間の生物としての強さは最弱だという事です。
だが人間には考えるという特異な能力があります。この思考の力をもってすれば、宇宙すら超える可能性を持っているという事を言っているのです。
いったいどれほどの時間を費やしてこの一文にたどり着いたのでしょうか。

日本人の民族心理として要素を足していくことで安心感を得ることが購買意欲に繋がるという面は多分にあるのですが、少なくとも販売を目的としない学問において、目に留まるシンプルさ、わかりやすさ、美しさというものは最重要視するべきことだと思います。数学で公式にたどりつくまでの計算過程の話をされたら、私たちは何も進めることができないしょう。

事物を考えるという事、事物の持っている普遍性、特異性に気づくという事、気づきを伝えるという行為は、至高の引き算なのです。

本日は以上となります。

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