交渉を優位にする方法

今回は交渉を優位にする方法という話をさせていただきます。

その方法は交渉の導入の時点で、争点を自分の目的以上の部分において交渉を始める事です。例えばあなたがWebサイトを作成してもらうという立場だとして、何か実現してほしい機能があるのであれば、この時の訊き方は「〇〇は可能でしょうか。」ではなく「〇〇を実現していただきたいのですが、どれくらいの時間を要するでしょうか。」と訊いたほうが良いという事です。

あなたの目的は(できれば安く)機能を実現してもらう事であるのに対し、前者の訊き方では争点が「機能を実現できるかどうか」からスタートしてしまっているので、「難しいです。」と言われた時点で実現が遠のいてしまいます。後者の訊き方では「機能を実現させるためにどれくらいのリソースを要するか」が争点になるので、交渉の開始位置がより進んだ状態にできます。

違いとしては前者はYesNo質問なのに対し後者はHow型質問になっているというのがポイントかもしれません。人間の心理としてそもそも質問にはその場で答えるのが一番良いと思ってしまう性質があり、YesNo質問は結論だけで回答が成立してしまう質問形式なので、答える事それ自体は簡単で相手が反射的に答えてしまう場合があります。逆にHow型質問は数値的な回答になる以上、回答の中に根拠を必要とするので、反射的には答えにくくそれが共通理解としてあるので、「確認します。」という実現に向けた動きをうながすことができるという事です。

似た理由だと市場の価値が可視化されにくいものを販売金額を決める場合は、自身が欲しいと思っている利益率に1割ほど乗せた金額を低下とすることで、そもそも交渉の余地があるようなバッファを設けてどんな場面でも1割引きしてお得感、特別感を出すことができるようになります。勿論定価で売れる相手には低下で買っていただくように基本的は動くことになるかと思います。

このようなスタートのポジションを目的以上にして、目的を達成するという手法は便利であるためビジネスの中では頻繁に使われますので、仕掛けに気づくためには「そもそも存在する選択肢として何があったか」に立ち返ることで、相手が考慮させまいとしている選択肢に気づくことができるかと思います。

本日は以上となります。

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