感情の置き所を制するものは時代を制する

今回は感情の置き所を制する者は時代を制するという話をさせていただきます。

漫画をイメージしていただきたいのですが、一話完結物でもない物語が進んでいく作品において、最初から最後まで全くピンチが訪れない作品は中々存在しないですよね。主人公が最強の作品なども増えてはいますが、この手の作品の場合は主人公がいない局面でピンチが演出されていたりします。

これはつまり物語には緩急がなければいけないという事ですね。終始感情に訴えかけては読者に飽きられますし、そもそも人間は一つの感情を維持し続けることができないんですよね。常に神妙でいる、常に明るく居続け感情を起伏させないという事をイメージしていただければ、その困難さがわかるかと思います。

売れる漫画の作者というものは、感情移入をしてほしいポイントを定め、作者の感情と読んだ時の読者の感情を一致させるような物語設計を心がけているという事ですね。偶然合致しているような例もあれば、意識的に狙っている方もいるかと思います。

平たく言えば感情曲線をデザインするという事ですが、考えてみるとこれは漫画に限った話ではないですよね。
最後までスクロールしてしまうランディングページや、営業が提出する提案書、ビジネス書や講演会、Youtubeの動画などあらゆるものは、全て一つの物語であるといえます。実際最後まで真剣に見てしまうようなコンテンツを思い浮かべると、悩みやピンチを最初に挙げ、それを最終的に解消するような構成になっています。

今の時代がストーリー需要が高まっているという話は以前にもしましたが、このストーリーというものは順風満帆ではない方が良いという事ですね。
もしかしたら今の時代に一番必要な力は、脚本家や構成作家としての能力なのかもしれません。

今回は以上となります。

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