思い出のデザイン

今回は思い出のデザインという話をさせていただきます。

思い出という個々人の記憶でしかない思い出をデザインする―おそらく意味が分からないと思います。まず前提として、思い出というものは下記の式で表すことができます。
思い出=事実+補完した記憶

事実はわかると思います。ここに補完した記憶が乗ったものが思い出です。例えば友達と行ったバーベキューが快晴ではなかったけど物凄く面白かったという事実があったとします。総合的には面白いという事実だけが残ります。例えば1年後くらいにこの時のバーベキューの話をすると、快晴ではなかったというマイナスの記憶が残らず、あれだけ楽しかったのだからきっと快晴だっただろうという、事実とは違う記憶の補完が起きます。

よくピークエンド効果という言葉を聞くと思いますが、このピークエンド効果の結果として最終的に良い思い出ならば全体として良い方に引っ張られます。ピークとエンド以外の事実が曖昧になり、良い状態だったという補完が発生するという事ですね。勿論最終的に悪い事実が残ったならば悪い記憶の補完が働いてしまいます。

これを踏まえると、何かイベントを開催する場合の思い出のデザインとしては、開催するイベントそのものを楽しいものにすることは勿論のこと、例えば地元のビアガーデンと共同するなどで、イベント終わりに飲み会会場に案内するような導線を作ることでイベント後という、一日のエンドまでを設計して、最終的な参加者の思い出をより良いものにするというような思い出のデザインが必要なのかもしれません。

今回は以上となります。

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