今回はフィードフォワードから見る時代変遷という話をさせていただきます。
下記URLをもとに話しますが、フィードフォワードとは未来に向けた解決策という意味で、「将来こうなるために今こうしよう。」といった形の解決提案に当たります。話題になり始めたのは結構最近だったのではないかと記憶しております。
https://biz.trans-suite.jp/16354
フィードバックという言葉はよく聞くかと思うのですが、フィードバックの場合は過去のことについてのマイナスを洗い出すような評価手法で、対極に位置するような存在ですね。
もしかすると、人によっては過去のマイナスを指摘して自分で改善案を提示させるフィードバックと比べて、改善案まで評価者が出すフィードフォワードは温いと感じる方もいらっしゃっるかもしれません。
フィードフォワードが注目されるようになった理由考察するに、大きく3つの理由があるかと思います。
第一はかつては物事の答えは一つに収束していたが、時代の変遷により答えが一つではないものが増えた、あるいは誰にも明確な答えがないような問題が増えていたため話を解決策からする必要が出てきたのではないか、という事です。
欠点を提示することで一つしかない答えに被評価者たどり着くまでの時間的距離と、評価者が解決策の例を提示して答えの定まっていない解決策を被評価者が決定する時間的距離が一致しているみたいな話です。
第二は技術の進歩により過去現在の物事を人が担う必要が減っていき、人類がようやく未来の話に集中できるようになったからではないか、という事です。
AI技術が得意とすることは過去と現在の事実を早く正しく大量に示す事にあります。これはつまり報連相で言うところの過去の共有「報告」・現在の共有「連絡」はAIで代替できる世界に移行しつつあるという事であるため、人間はAIでの代替が(少なくとも現状は)難しい未来の共有「相談」に費やす必要に迫られてきております。そんな現状に噛み合った評価手法がフィードフォワードであるという話ですね。
第三は評価・解決・提案という行為そのものが上から下にという単一方向のものではなく、双方向的に発信していき相互に向上させていくための行為に役割が変わったからではないか、という事です。
最近NECでは高度人材採用として新卒に年収1000万円という可能性もあるというような事を言っておりましたが、企業が終身雇用を維持できなくなる中で年功序列的な考え方が徐々に薄らいできたうえ、VUCAというような言葉もあるように3年後の未来すら誰も正確に予測できないようになったため、評価というものが必ずしも上の人から下の人にすることが正しい状態ではなくなりました。
ですがフィードバックは 欠点や課題を突き付ける行為であるので、下の人から上の人に伝えるにはどのようにオブラートに包んでも角が立つ事になり、不和が発生しかねません。
対してフィードフォワードは欠点を突き付けることなく「こうしたらさらに良くなるのではないか」というあくまでポジティブ提案に当たる行為で雑談の中でもできる行為であるため、年代を問わない双方向発信に適したやり方としてフィードフォワードが選ばれたという話ですね。
実際にフィードフォワードが活用できているかといわれるとまだまだそのレベルではないのですが、前向きな評価指標なので是非ともコミュニティ全体の成長に活用できると良いですね。
今回は以上となります。
コメント
[…] 既存の風習や風土の悪いところを直そうというフィードバックの考え方ではなく、この風習や風土にあやかったらこんなことをできるのではないか、そしてそのやり方にあやかって私のこのやり方を結び付けられるのではないかという、昨日話したフィードフォワードの考え方になります。 https://www.mine-think.com/?p=289 […]