誰もやっていないようなことをするという選択に関して、感情としてはその選択の方が良いとおもっても、理屈として成功すると思えないという意見を持つ方はおりますでしょうか。今回は確率から行けば誰もやっていないことをやり続ける方が勝率も高くなるというお話です。
例えばある課題を解決したいという要件を持つ会社に対して4社で争うコンペの中で、ABCの3社が前例のある確実な方法を提案し、D社が前例のない全く新しい方法を提案をしたとしましょう。
この時提案されている会社としてはまず何の議論がなされるでしょうか。複数の選択がある場合コンセプトの戦いは最初に処理されるので、答えは前例のあるやり方を選ぶのか、全く新しいやり方を選ぶのかです。ここで新しいやり方が選ばれればD社は晴れて案件受注となります。
じゃあ今まで通り前例のあるやり方が選ばれた場合はどうなるでしょうか。1回戦で勝利したABC社は、ここからじゃあその中でどの会社の提案が一番魅力的かの2回戦が始まることとなります。
例え話で提案に対する有意差、会社の関係性を考えても仕方がないので、すべて平等に選ばれると仮定しこれを確率で考えてみましょう。
1回戦は2つの主張のどちらを選ぶかが争点であるため双方勝率50%となります。ABC社は1回戦を勝ち残った後、3社で争う事となるため、50%の1/3となりABC社それぞれの勝利は16.6%となります。これに対してD社は1回戦に勝てばいいだけの為、勝率は50%ですね。コンセプト提案における少数派の優位性が伝わりますでしょうか。
実際上の例が、東京オリンピックのエンブレムにおいて顕著に現れたといえるかと思います。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/tokyo-2020-emblem_n_9640458
いろいろごたごたがあったオリンピックエンブレムですが、URLの先の4種類がごたごたで選定しなおしになった後の、最終選考に選ばれたエンブレムです。
「暗い色の」「単色で」「曲線のない」Aと、「明るい色で」「カラフルで」「やわらかい曲線を用いた」BCDの構図に見えてきませんか?選ばれたのはA社でした。
以上からわかるように、少なくとも数ある候補から1つを選ぶようなコンペ形式の勝負において、誰もやっていない選択を選び続ければ、勝率5割に限りなく近づける可能性を秘めております。勿論人間の選択はランダムではなく感情が付きまとうので、一概には言えない面もありますが、この選択は候補が多ければ多いほど価値を持つので、やってみる価値はあるのではないでしょうか。
私が思いつく限りだと、誰もやっていないことをやる最大の懸念事項は、誰もそのやり方の必要な時間や費用感覚がわからないため、案件を受注したはいいものを赤字になってしまったがあり得ることだと思います。
ここに関して何かしらの解決案を思いつきたいですね。
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